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2010年07月14日

なぜ、報道の素人が、プロに基本を教えにゃならんのか、誰か教えてくれ!

私は報道を生業にしている人間ではない。

ど素人なわけだが、そんな素人であっても事の順序なり、論理の組みたてというのは、まぁ普通に仕事をする上でどんな場面でも必要な事なのでプロほどではないが分かっているつもりだ、

しかし、どうやら報道のプロには投書の内容を理解する読解力も、文章を構成する論理力も、己の間違いを認める倫理も必要ないらしい。プロならそんなもん備わっているに違いないという私の認識は間違っていたようだ。

先々週に、「日経ヴェリタス大江麻理子のモヤモヤとーく」に、小惑星探査機はやぶさの件について投書したのだが、それについて、今週の放送で投書があったと番組の最後に紹介していただいた。が、私はますます日経さんに対して落胆してしまった。

第59回「日経ヴェリタス・今週のPower Push〜2番底は消えたのか大緊縮時代・市場の深層心理を探る」 7月13日公開
(↑ポッドキャスト放送なので音が出ます。放送の最後のところで大江麻理子さんがその投書に触れられています)

私は先々週の放送内容は「誤報」として捉えた。なぜなら、イオンエンジンの故障で「はやぶさ」が遅れたというのは、普通に「はやぶさ」関連の報道を読めば、報道関係者としての読解力があれば「誤読」であると簡単に分かるレベルであるにもかかわらず、

イオンエンジンの故障で遅れたという事を放送中に認めたカタチになってしまったからだ。

また、この話題が出た背景にも注意しなくてはならない。

これは一般の方から、

「イオンエンジンの故障のせいで遅れてしまったのではないか?ならば、NECの社長が株主総会でイオンエンジンの成果を誇らしげに語るのは変ではないか?」

との投書が寄せられた事に端を発している。


つまり、この問題については、まず、NECの社長はイオンエンジンの成果を株主総会で誇らしく語ってよかったのかどうかという事に答えなくてはならない。

で、答えとしては、日経さんに指摘させていただいた内容を他のエントリに書いているので、そちらで確認いただきたいが、イオンエンジンはむしろ想定以上の成果を上げているのであって、もっと讃えられても良いぐらいであるから、

イオンエンジンを飛行計画の遅れの主犯として扱うのは全く間違っているという事になるのである。


ところが、「今週の日経ヴェリタス大江麻理子のモヤモヤとーく」では、

「リスナーの方から、イオンエンジンの故障だけが原因ではないというメッセージをいただきました。確かにですね、この『はやぶさ』、姿勢制御装置、それから燃料漏れの問題など、いろいろな複合的な要素が組み合わさって帰還が遅れたわけですよね。」

と、まぁ、なんて上手に責任回避をなさるんだろうと感心してしまうような受け答えをして頂いた。

報道のプロだから、一分の隙も与えないような書き方で投書をしなくても、マトモな答え方をするだろうと思っていたが、甘かった。


小学生にでも分かるように説明するしかないのかな?


喩え話で行きますよ。

部活の試合の日に、君は朝寝坊してしまったとするよ。

なんとか間に合うように、君は、遅刻としても許容されそうな3分遅れで到着する電車の経路を見つけた。

ところが、慣れない経路だったために、乗換をひとつミスった事で10分ロスした。

さらに、運の悪いことに遅れて乗り込んだ別の電車が車両故障とやらで、結局は1時間の遅刻になってしまった。

さて、この時にだよ、

君は「複合的な原因で遅刻しました」と言って理解してもらえると思うかい?って話しさ。


この遅刻の主因はなんだい?

いうまでもなく朝寝坊だよね。

だって、寝坊をしなければ余裕を持っていつもの経路で試合に行くことが出来たんだから。乗換ミスもなければ車両故障にも巻き込まれなかったはずだ。



ここで「はやぶさ」に話をもどす。

「はやぶさ」の場合イオンエンジンの故障は帰還遅延とは関係ない。

遅延発生の主因は姿勢制御装置の故障だ。先程の喩え話でいうと、これが「寝坊」に当たる。

姿勢制御装置が使えないために、太陽電池を太陽に向けるように姿勢制御できなくなり、電力不足から「はやぶさ」は2ヶ月ほど行方不明になってしまう。

ここで大幅な遅延が発生したのだ。


その後、イオンエンジンが遅延の原因となった部分があるのかを検証してみよう。

奇跡的に発見された「はやぶさ」を太陽に向けるために、姿勢制御エンジンの代わりに、イオンエンジンの燃料噴射を利用するという、離れ業をやってのけた。これはイオンエンジンの使い方としては全く想定されていなかった事であり、そもそもイオンエンジンの特性には合わないものであったが、これによってなんとか電力を確保することが出来た。

さて、この時点で、イオンエンジンは遅れの原因どころか、
帰還できなくなるはずだった「はやぶさ」に、帰還への道筋をつける役割
を果たしている。

その後、姿勢制御装置分の仕事までもをこなしながら、イオンエンジンは「はやぶさ」を地球へ運ぶ推進力となった。

しかし、本来の役割以上に酷使される事になり、姿勢制御エンジンが無い事で発生する遅れの分、予定よりもずっと長く使われる事になった。

それほど過酷な状況であれば、イオンエンジンが壊れていくのも当然の事だが、

さて、この時点でもやはり、イオンエンジンは遅れの要素とはなっていない。むしろ想定外の使用と長期運用に耐えてその優秀さを証明している。


さて、いよいよ限界を超えたイオンエンジンの使用は、全てのエンジンが故障するという絶望的な状況を招くことになる。

しかし、ここでも、もしもに備えて取り付けておいた、「二つのエンジンを一つとして使う」装置によってなんとか推進力を得て、地球への帰還を果たしたのである。

この最後の段階においても、やはりイオンエンジンは遅れの原因ではない事は明白なのだ。

むしろ、想定外の使用と長期運用に耐えるという優秀さを証明したのである。



「いろいろな複合的な要素が組み合わさって帰還が遅れた」の中に、イオンエンジンの故障を含めてしまっている点で、結局、日経さんは間違った情報を上塗りして、無実のイオンエンジンを遅延の共犯として報じることになり、自分たちが間違った情報を流したという事については一切触れないという行動に出た。

これがプロの報道がやる仕事か、

「素人がよこす投書の如きは、この程度の仕事をやっておけばよかろう」


といった侮りを感じるといったら褒め過ぎかも知れぬ、おそらくは自分たちが何を伝え、何を読み取っていなかったのか気づいていないだけのことであろう。丁寧に投書を書いて送ったというのに、それで気づかないというのだから救いようがない。


先に挙げた喩え話で言えば、

日経さんは、この学生の遅刻の理由として、車両の故障があったからだという釈明を、まずはそのとおりと言い、その後、複合的でしょと突っ込まれたところで、寝坊と乗換ロスと車両故障の複合的な要因で遅刻したとする事になる。

が、これが間違った理解であることは誰にでも分かることだ。


問題なのは、

元々の背景からすれば、

詳細に見れば「はやぶさ」の遅延の要素とはなっていないイオンエンジンを、

遅延の原因となった複合的な要素に含めたままで語ることによって、

 NECの社長が株主総会でイオンエンジンを誇らしく語ったのはおかしかったのかどうなのかについて、完全に間違った事を伝えてしまっていることについては、完全にスルーしている事となり、

肝心な自分たちのミスを認めない状態でありながら、

投書を放送の中で紹介したという事でちゃらにしたつもりになっているという点にある。


重要な問題がどこにあるのかを全く理解しておらず、何の問題も解決していない。


さらに大きな問題は、これが

「分かっていてミスを認めたくないから、投書主の私を素人と侮ってやっていること」なのか、

それとも、

「本気で問題点に気づいていおらず、これで仕事として体を成していると考えてのこと」なのか、

である。


前者であれば見下げ果てた態度とは言え、能力は疑わなくて済むから、利用価値を見いだせる限りにおいては取引できる事になるが、

後者であれば救いようがない。能力のないところが出してくる商品、しかも情報という商品であれば、無料で手に入るとしても危険極まりないものであって使えない。



それにしても、この程度の事は、私の記憶では小学校高学年の論説文の授業で基本的には全部教えられていることだったと記憶している。

なんで日経新聞の関連するところに対して、こんな小学校レベルで分かる事をいちいちここまで書かなきゃならんのか、理解に苦しむ。

なんでハッキリと

「イオンエンジンの故障が遅れの原因というのは誤解でしたね」
の一言が言えないんだろうねぇ。

どうして

「NECの社長さんが株主総会でイオンエンジンを誇らしく語るというのは当然でしたね」の一言がないんだろうねぇ。


この一件で、日経さんの系列には投書をする気がなくなりました。論点ずらして肝心な事は受け入れず、間違いも認めないでさらなる誤報の再生産をするなんてところは、ずっとそういう仕事を続けておればよろしい。

こんな対応されるなら無視された方がよほど気持ち良い。

下らない仕事をする大人たちを見るのは悲しいなぁ。
posted by 本気らいふ at 05:09| Comment(0) | TrackBack(0) | どぉ〜なっちゃってんだよ! | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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