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2010年07月12日

人生は、投資だ!

喩え話が、分かりにくかったことや見えなかったことを、とてもわかりやすく教えてくれるという事がある。

中には「簡単に思わせる」為に真実をねじ曲げて喩え話をつくる輩もいるので、注意しなくてはならないのだけれど、

本当の事を伝えるのに見事な喩え話がつくれる人というのは、確かな知識と深い洞察と豊かな経験がある場合が多く、そういう人だけが「難しいことを分かりやすく伝える」能力を持つ。

さて、投資という行動は、実は人生のあらゆる側面に現れるのだけれど、金勘定の世界だけにそれは存在していて、しかも血も涙もない殺伐としたものであるといった誤解は今でも根強い。

そうした誤解でがんじがらめになった頭を、柔らかく解きほぐしてくれる「投資の本」が現れた。

ここ最近、本でもテレビでもマンガでも、分かりやすくしようとして真実をねじ曲げてしまい、誤解を蔓延させている例をよく見かける。

だから、この体裁を取る作品については注意が必要なのだが、こちらの本は久々に見る良書だ。


あまりにふざけたタイトルに、最初は全く期待していなかった。

設定も
「突如、倒産危機の企業に派遣されたロボット取締役。メタリックな上司の理詰めの指導から、美穂はV字回復への突破口を探る。」

ってなもんだから、これはまた読者を馬鹿にしただけの本かと思ったら、これが面白い。

しかも、他の「投資関連の本」では見過ごされがちな点にまで触れているところが素晴らしい。


まず、全体としては「投資」といっても「事業投資」の話が背骨として通っている。

投資となるとカネでカネを生むようなものとして語られる事が多いし、そういうイメージが染み付いているが、事業というものは、それそのものが投資行為であり、それを理解しているかどうかは起業する上で非常に重要だ。

時々、投資の意義を理解せず、投資家を見下すような人が起業を目指そうとするのを見かけるが、そういう誤ったイメージを投資に対して持っているようでは事業の発展は望めない。(現実にそういったタイプの人が成功するのを見たことがない)

もちろん、「株式投資」や「マンション投資」といった話題も入ってくるし、しかも、世間に多い煽り系投資マニュアルではちゃんと語られない「リスク」についても解説されている。

しかも、そのリスクを「リスクとして見えるようにする」考え方のプロセスが、ロボットとのコント風なやり取りの中で説明されていて、応用が効く内容となっている。これには本当に感心した。

さらに、「生きている事そのものに投資行動は重要な役割をもつ」という事を、登場人物の「ダメになっていく恋愛をやめられない女」と、「夢を追うだけで現実を見ない男」を通して教えてくれる。


全く金融知識や経済知識が無いという人には、この本は難しいかもしれないが、これ以上に分り易くしようとすると、嘘を書かなくてはならなくなるだろうギリギリの線で頑張っている作品だと思うので、そこは減点対象とならない。

小学生に分からないからといって、小学生にでも分かるように書いた本しかダメという事を言い出せば、村上春樹の『1Q84』はダメなのかという事になる。常識で考えれば分かるだろうが、こういう場合は、「もうちょっと大人になって読みなさい」という事になる。

だから、『投資ロボット』を読んでも楽しめない、チンプンカンプンだという人は、経済ニュースとか基本的なそれこそ高校の社会で学ぶぐらいの基礎的な金融や経済の仕組みについては学ぶべきだという事になる。

とはいえ、普通に経済や金融に興味を持った社会人であれば、この本が難しすぎると感じる事はまず無いだろう。


どうも売上ランキングなどを見ていると、バカ売れしている様子でもないが、これは一読をおすすめしたい。

池上某とかいう方の色眼鏡バリバリの解説などが平積みになってバンバン売れているのを見ると、

「投資ロボット」の方が何倍も役に立つからこっちにしなよと言いたくなる。

posted by 本気らいふ at 01:20| Comment(0) | TrackBack(0) | 評論家の体で | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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