インテルプロセッサの採用について、従来のマックユーザが期待していたのはノートブックタイプで重要になる省電力化だった。その一方で処理能力の向上については不安の声が聞かれていた。
それまで使われてきたパワーPCプロセッサに対する信頼は高く、バッテリー寿命やクロックスピードの向上が期待出来なくとも、総合的な性能は高かった。アップル社もインテルプロセッサよりもパワーPCプロセッサの方が高性能であると宣伝してきただけに、インテルマックは従来のマックよりも性能が低下するのではないかと考えられていたのだ。
というワケで、今回の発表にはちょっと驚いた。
インテルマックは安い価格帯の製品として登場すると思っていたのだが、ミドルレンジの製品として出てきたからだ。
ノートブックタイプではハイエンド製品として登場している。画面構成こそ15インチだが、性能は従来の4倍だ。
Apple MacBook Pro 1.67 Intel Duo/MA090J/A
Apple MacBook Pro 1.83 Intel Duo/MA091J/A
iMacの方は従来のiMacG5の2〜3倍の性能だと言う。ミドルレンジで十分に一般の仕事にも使える。
Apple iMac 2GHz Intel Duo/ MA200J/A
Apple iMac 1.83GHz Intel Duo/MA199J/A
4倍とは言ってもベンチマークテストの結果に過ぎないので、実際に使ってみないと何とも言えないのだが、4倍と言っておいて実は遅いなんて事になれば、ブランドを汚す事になる。そんな事をするハズはないので、2倍程度にはなっていると期待しても大丈夫だろう。
従来のパワーPC用のソフトウエアはRosetta(ロゼッタ)という仕組みで、インテルプロセッサ用に翻訳されて実行されるので、それまで使っていたソフトを動かすと遅くて使い物にならないのではないかという不安があったのだが、それを補ってあまりある性能が期待出来そうだ。
低価格のマックが出る事を期待していた方はがっかりかもしれないが、マックの先行きに不安を感じていた多くのマックユーザは逆に安心したのではないだろうか?
インテルプロセッサを採用しても、マックの性能をないがしろにするような事は無いという、アップル社の姿勢をハッキリと示した事になり、また、プロセッサの変更という難問を見事に解決したという事になれば、技術力に対する信頼も上がる。アップルのブランドイメージは一層強化され、従来からのマックユーザ、リピーターがしっかりとついて来る事になる。
Appleブランドに忠実な優良顧客をしっかりとつなぎ止める事を最優先した戦略であろう。新規顧客を惹き付けるには低価格商品を出すべきなのかもしれないが、信頼を失って優良なリピート客が離れてしまったら、その損失は計り知れない。従来のマックユーザが安心できるような製品の発表を優先した事は、考えてみれば当然の事だ。
いい意味で期待を裏切ってくれたインテルマックの発表。
プロセッサがインテルになっても安心となれば、インテルプロセッサの採用がもたらすプラス面に夢が広がる。
省電力化も進むだろうし、他のPCメーカのパソコンでマックOSが動くようになるかもしれない。バーチャルPCなどの仮想PCソフトウエアが、直接インテルプロセッサを利用する事で、マック上でウィンドウズやLinuxを高速に実行出来るようになる可能性も高い。
高度な科学計算の分野では、パワーPCでなくてはならない理由もあるだろうが、一般的な利用ではインテルプロセッサでも大差はないどころか、高性能が期待出来る。
ところで、新しいインテルマックは「買い」だろうか?
初めて買う人にとっては特に大きな問題はないだろう。気になるのはソフトを買う時に、本当に今までのマック用のソフトが全部、満足な速度で動いてくれるのかどうかだが、いきなり色々なソフトを買う人は少数派だろう。バンドルソフトの内容を見るに、主要なソフトはすぐに対応してくれそうだ。
従来のマックユーザにとっては少々注意が必要だろう。思わぬトラブルに見舞われる場合があるので、初心者ユーザはしばらく様子を見た方が良いだろう。新しく買うソフトについては、出来るだけインテル用とパワーPC用の両方が一体になったものを選ぶように心がけておけば、将来インテルマックを買う時に、安心して移行出来る。
中級以上のマックユーザなら、多少のトラブルは楽しんで受け止められることだろう。ぜひインテルマックで新しいマックの世界を支えて頂きたい。

